グループディスカッションのポイント
いよいよ明日はグループディスカッション練習会第1回です。40名ほどの申し込みをもらっています。
さて、今日はGDで実際に使えるテクニックの解説です。
■GDのテクニック①:「要素の列挙」
議論の要素を提示。しばらくブレーンストーミング的に議論が進行した際、「何が論点なのか?」の要素を列挙して提示し、その際に自分の仮説も示す。こうすることで、発言権を得るとともに議論を進める土台を作れます。僕はよくDIの例(別窓)にあるように2軸で切り出してました。
ただし、軸で切り出し「抽象化」してしまうと、ADLのGDの「軸の切り出し方の失敗」にあるように、抽象的な議論に終始し現実を反映しない軸の切り出し方になってしまうこともありますので注意を。あくまでブレーンストーミング(具体化)で出てきた意見や、直感的に持つ感覚を(なるべく)「全て」反映する軸を設定しなおす必要があります。
このへんは、一人練習またはGD練習会の利用で)などで練習しましょう。僕も夏で失敗したものの、秋で2回とも突破できたのはGD練習の成果です。
この切り出し方は、白熱した議論の中発言量が稼げない時に、口火を切る際にも重要です。
用例:
(ディズニーランドをもうひとつ日本に作るならどこか?というお題の議論で、一通りみんなの意見を聞いた後に)
「そうか、結局ディズニーランドを作る際に重要になるポイントって、
「地価」と「アクセス」と「知名度」と「気候」がある訳なんだよね」(と、ホワイトボードや持参した紙に大きな字でこの4つの要素を大きく横軸に並べてしまう)。
(ここで「イメージはじゃあどこに・・・」という合いの手が入るので、知名度の横に(イメージ)と書いて「これでいいかな?」とか言いつつ・・・)
次に縦軸に、「今あがっている候補地は・・・○○と・・・・」(と、神戸とか高知とか長野とか埼玉とか書き入れてしまう)と表を作ってしまう。
フレームワークを作り上げてしまうので、反論されたとき危険なのですが、参加人数が多く発言量を稼ぐのが難しい時に使えるテクニックです。
GDのうまい人たちは、提示するかどうかはともかく、皆自然に頭の中でこういったフレームワークを展開したり作り直したり、を自然と身に着けていたりします。
次は: 同意語反芻
グループディスカッションって、何?
■グループディスカッションって、何?
4人~10で席を囲い、あるテーマについて20分~30分議論します。
昨今企業が学歴だけで見るのではなく、コミュニケーション力を重視した採用を行うようになり、また多くの就活生を同時に選考できるという実用的なメリットも備えていることから、夏のインターンでは割と多くの企業がグループディスカッションを選考に取り入れています。
また、夏のインターンだけではなく、春の本採用でのグループディスカッションを採用する企業は少なくないです。たとえば、商社は最終試験の前にグループディスカッションを行います。また、グループディスカッションを主たる選考として据える企業(P&Gの一部部門など)もあります。従って、グループディスカッションでの振る舞いをこの時期に覚えることは、今後の就職活動で結構役に立つことになったりするのです。
倍率は、6人の中で2人くらいしか落とさない「最低限のコミュニケーション力無い人を切る」型と、8~10人の中から何と一番良かった1~2人しか通さない「リーダーシップ発揮」型があります。
グループディスカッションのテーマとしてはたとえば、
・日本にもう一つディズニーランドを作るなら、何県に作りますか?(それはどうして?)
・今日ディスカッションをするこのメンバーで今日一日を自由に過ごすとしたら、何をしますか?計画を立てて下さい。
という日常的な会話に登場しそうな話題から、
・「成功」を定義して下さい
という抽象的なものまであります。
その際に、議論を発展的な方向に持っていけたか?という点を企業は評価しますが、どこを見ているのかイマイチはっきりしませんよね。これは面接官ではないとわからない上、業界・企業ごとにも評価のポイントが異なるので、究極的には、人事がどこを見ているかなんてわからないです。しかし、それでも一般的に見られているとされるポイントはありますし、何よりもGDに受かるひとは常に受かるという事実もあり、私自身自分なりに反省しながらグループディスカッションを40回以上繰り返してきたところ、通過率も上がってきましたし、ある一定の評価のポイントらしきところは見えてきましたので、それをこれらエントリの中で伝えていければなと思います。
とはいえ、即効で効く処方箋というものはなく、実践を積みながら慣れて頂くのが一番です。GDは実際にやってみるとわかりますが、初対面の見知らぬ5人(本番では見知らぬ3~9人)を相手に、議論についていき、かつ面接官の印象に残るような発言、感じのいい振る舞い、ができるようになるまでは、ある程度の経験(慣れ)がいります。
外資系・日系の区別無く、一般的なグループディスカッションというものに慣れ、「ぜんぜんしゃべれずに、落ちた!!」ってことが無くなれば、はじめの段階では御の字だと思います。
■まとめと補足 - GDとは?
①4~10人で席を囲い、あるテーマについて20~40分議論するスタイルです。
②倍率は、6人の中で2人くらいしか落とさない「最低限のコミュニケーション力無い人を切る」型と、8~10人の中から何と一番良かった1~2人しか通さない「リーダーシップ発揮」型があります。
・「最低限のコミュニケーション無い人を切る」型のお題の例
●資料あり:「地図再現」ゲーム(野球チーム再現ゲーム)などのメンバーが異なる情報を持っている場合
●資料なし:「このメンバーで今日一日を過ごすとしたらどうしますか?」などの、答えの無い問
・「リーダーシップ発揮」型のお題の例
●資料あり:P&Gのように顧客や製品データの複数枚の数値と文章から成る資料を渡され、結論を導け、戦略を作れ、意思決定せよ、という問
●資料なし:コンサルティングファームのDIのような問、アクセンチュアのように「エレベーターが混んでいて困っているビルのオーナーの相談に乗ってください」という、問があります。(この問のような場合、フレームワークに従って仮定を設定し、メンバー全員が共有するところが非常に重要なポイントとなってきます。)
次は: GDで見られているポイント
ジョブ(インターン)の就職活動における位置づけ
業界によって呼び名にはある程度慣習があるようです。以後インターン・ジョブのことをまとめてジョブと呼びます。
ジョブは「採用直結型」とそうでないもの(主に学生への宣伝のためで、「企業宣伝型」と呼びます)があります。
企業宣伝型のジョブに参加した場合、プロセスはそこでお終いとなり、内定は出ませんが、①そこに至るまでに実力がついていたり、②就活における心強い仲間ができたり、③本選考の際に考慮してくれたり、また④ジョブ自体が非常に楽しく、勉強になるもの があります。
一般に夏の段階では外資系は採用直結型が多く、日系企業は企業宣伝型もそこそこありますが、いずれも内定にぜんぜん関係ないということはないです。
秋を過ぎると、どの企業も採用直結または採用にかなり影響するジョブを実施してきます。
外資系投資銀行など、業界に関する知識が内定に非常に重要になってくる業界もありますから、このような企業に内定するまでには、通常1~4つ程度のインターンを経験しているのが普通だったりします。逆に言うと、それほど面接の過程で知らない知識を聞かれ、落ち、学習し・・・というプロセスを繰り返すことになるのですが、それはまた別の機会に書きます。
とにかく、インターンはいい経験になりますので、夏に特別に打ち込むことが無い人は、食わず嫌いをせずなるべく多くの業界・企業に(片っ端から)エントリーすることをオススメします。